AV女優のような個人事業主なら知っておきたい「インボイス制度」とは？
2023年10月からスタートした「インボイス制度」について、ご存じでしょうか。
一時期、連日のようにニュースで騒がれた話題ですので「名前だけは聞いたことがある」なんて女の子も多いでしょう。
しかし税金に関する制度ですので「私には関係ない」なんて考えている女の子もいるかもしれません。
フリーランスなどの個人事業主に大きく影響する制度であり、AV女優にとっては「あまり関係ない話」と思ってしまっても仕方がないでしょう。
とは言っても、AV女優もほとんどはプロダクションに所属しているのは確かですが、本質的には「会社員」ではなく「個人事業主」であるのが事実です。
そのため「インボイス制度」についても、どのような制度なのか、AV女優も登録すべきなのか、知っておくべきと言えます。
今回は、そんな「インボイス制度」についてご紹介しますので、知識として身につけておいてください。
AV女優は「インボイス制度」に登録するべき？そもそも「インボイス制度」とはどんな制度なの？
「インボイス制度は、個人事業主の税金に関係する制度」です。
と言っても、現実的に「インボイス制度ってどんな制度なの？」と、細かい部分まではわからないAV女優も多いでしょう。
インボイス制度がどのような制度なのかがわからなければ、登録するか、登録しないかも選べませんよね。
まずはインボイス制度の内容や、加入するとどうなるのかについて、学んでみましょう。
そもそもインボイス制度とはどんな制度？
インボイス制度とは、簡単に言えば「それまで消費税の納税を免除されてきた、免税事業者と呼ばれる小規模個人事業主に対しても、消費税の納税を求める」制度です。
免税事業者とは、前々年度の課税売上高が1,000万円以下の個人事業主のこと。
この免税事業者がインボイス制度に登録すると「インボイス登録番号」が発行されます。
一方、インボイス制度に登録しなければ、免税事業者のままで仕事ができるわけですね。
そう聞くと「じゃあ免税事業者のほうが得なのでは？」と考えるかもしれませんが、話はそれほど単純ではありません。
インボイス制度に登録していない免税事業者の場合、お仕事をしたときに出演料を支払ってくれる会社が、その出演料の消費税分を経費にできなくなります。
つまり超簡単に言えば「取引先が消費税の金額分、損をしてしまう」ということになるわけですね。
そこにこのインボイス制度のポイントがあるわけです。
インボイス制度に登録していないとお仕事が減る可能性がある
インボイス制度に登録していないと、お仕事をくれる取引先が消費税の分だけ損してしまう、と説明しました。
つまりインボイス制度に登録していない免税事業者と、インボイスに登録している個人事業主、どちらにお仕事を頼むかと言えば、取引先としては「消費税の分だけ損をしたくないから、インボイス制度に登録している人にお仕事を頼もう」となってしまうかもしれないのです。
また免税事業者に対して「消費税の分だけ、報酬を下げます」と言われる可能性も出てきます。
厳密に言えば「インボイス制度を理由とした報酬の減額はしてはいけない」との政府からのお達しは出ているのですが、それが守られるとは限らない……と言うか、ほぼ守られないと考えられていますね。
そのため、インボイス制度に登録していないとお仕事が減る、と言われているわけです。
AV女優の場合はプロダクションと相談して決めると良い
ただしAV女優の場合は、ほぼ報酬の受け取りはプロダクションを通して、であるケースがほとんどでしょう。
直接取引先と出演料のやり取りをするわけではありませんので、一般的な個人事業主とインボイス制度の関係性には当てはまらない、とも考えられます。
ただしプロダクションからAV女優に出演料が支払われる際も、厳密に言えば消費税が発生していると考えられます。
そのため、プロダクションによっては「消費税分を経費にできないのは厳しい」と考えるところもあるかもしれません。
そういった点から考えて、AV女優がインボイス制度に登録するかは、所属するプロダクションと相談してから決めると良いでしょう。
基本的には、自分から「インボイス制度に登録しなきゃ！」と焦る必要はない、と考えて良いのではないでしょうか。
インボイス制度でよくある勘違いにはどんなものがある？
インボイス制度は、イマイチどんな制度なのかが多くの人に理解されていない面があります。
そのためか、インボイス制度にはさまざまな勘違いが発生しており、それがまた「登録するか、しないか」の部分で混乱を生み出している、と言えるでしょう。
インボイス制度でよくある勘違いにはどんなものがあるのか、ご紹介します。
インボイス制度に一度登録したら取り消せない？
「インボイス制度に一度登録してしまったら、もう登録は取り消せない」という勘違いがあります。
そのため「取り消せないなら、登録しちゃうとマズいかも……」と、インボイス制度の登録に躊躇している個人事業主もいるようです。
しかし「インボイス制度の登録は取り消せない」というのは勘違いで、実際には一度登録しても申請を出せば登録の取り消しが可能となっています。
そのため「一応登録してみたけれど、全然インボイス制度に登録する意味がない」と感じた場合、すぐに登録の取り消しができますので、そこまで深刻に考えなくて良いでしょう。
個人事業主は全員インボイス制度に登録しなければならない？
インボイス制度は、それまで免税事業者であった個人事業主からの消費税の納税を求める制度です。
そのため「個人事業主であれば、全員がインボイス制度に登録しなければならない」と考えられています。
しかし先にも簡単に説明しましたが、個人事業主が全員インボイス制度に登録しなければならないわけではありません。
免税事業者のままでも個人事業主としてのお仕事を続けられますので、自分の状況を考えて登録するかどうかを選べます。
インボイス制度に登録すると本名がバレる？
インボイス制度に登録すると、インボイス公表サイトに「適格請求書発行事業者」として登録されます。
そのため俳優や声優など、芸名でお仕事をしている人は「本名がバレるのではないか」と心配されています。
AV女優にとっても「本名バレ」は大きな問題ですので、気になってしまう人は多いでしょう。
しかし登録されるのは、あくまでも「本名のみ」であって、芸名などに紐づけられてはいません。
そのため、インボイス制度に登録することで本名がバレることは、まず心配しなくても大丈夫でしょう。
まとめ
インボイス制度は個人事業主に大きく関わる制度ですが、AV女優のようなプロダクションに所属している女の子にとっては、とくにそこまで気にしなければならないような制度ではない、と言えるでしょう。
ただしプロダクションの方針などで「インボイス制度に登録してほしい」と言われる、なんて事態が今後起こらない、とは限りません。
そういったときのために、インボイス制度がどのような制度なのか、理解しておくのは非常に大切と言えるでしょう。
もしプロダクションから「インボイス制度に登録してほしい」と言われた場合や、個人的に登録したいと考えたときは、しっかりとプロダクションと話し合ってから決めるべき、と言えますね。
インボイス制度に登録している、登録していないによって、事務処理がかなり変わってきますので、自分で勝手に登録してしまうのは避けておいたほうが無難でしょう。
ただしプロダクションに所属していない、フリーのAV女優の場合、インボイス制度に登録していないと取引先からもらえるお仕事が減ってしまう可能性があります。
そのあたりは取引先と確認するしかありませんが、フリーのAV女優として活動していくのであれば、インボイス制度への登録は前向きに考えておいても良いでしょう。
コメント